住まいの中の木材腐朽菌
住まいの中には多くの箇所で木材が使われています。木材を長持ちさせるためには、「腐らせないこと」が大切です。このことが、住まいを長持ちさせることにもつながります。
木が腐る
「木が腐る」という現象は、菌(腐朽菌)が木材に住み着いて、木材の成分を分解することです。腐朽菌の繁殖条件は、①水分(湿度) ②温度(適温) ③酸素 ④栄養(木材) と言われ、これらの条件があうと、たちまち木は腐ってゆきます。
繁殖しやすい場所
住まいのなかで特に、床下や屋根裏は、一年中腐朽菌が繁殖しやすい条件が整った環境にあります。
腐朽菌
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木材腐朽菌というと、とてもおそろしいイメージを持ちますが、言い換えれば、 木を媒介にして成長するキノコです。食卓でお世話になるエノキタケ、シイタケ、ブナシメジなども、学術分類上は木材腐朽菌と呼ぶ菌と同じ仲間(白色腐朽菌)です。
住まいの敵となる腐朽菌として代表的なものは2つです。
その菌によって最終的に木材が変化(腐った)色から、褐色腐朽菌と白色腐朽菌と言われています。
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被害の対象となる木材等
被害の状況
褐色腐朽菌
住まいの建築材として多用されている針葉樹林を主に腐朽します。
特に、床下で多く見られます。木材に亀裂が生じます。
木材の表面を指でつまむと粉状になります。白色腐朽菌
広葉樹を主に腐朽します。
豆粒大の穴が無数に開きます。
木材表面に繊維状のほつれが生じます。 -
木材腐朽菌の繁殖条件
温度
3~45度(3度以下では発育しにくい)。
※30度前後が発育に最も適している。水分
大気中の湿度85%以上・木材の含水率が25%以上
になると発生条件が整う。
含水率を25%以下にすると腐りにくくなる。空気
空気がなければ木材腐朽菌は生息できない。
(水中に浸ってる木材は腐朽しない)栄養分
木材の主成分(セルロース・ヘミセルロース・リグニン)など。
床下の腐朽菌