床下点検中に見つかった“思い出かもしれないもの”
「昔、犬を飼ってたんだけど、ある日いなくなっちゃって…」
床下点検の前、ご高齢のご主人様がふとこぼされたひと言でした。
それは思い出話のようでもあり、どこか未練のようにも聞こえました。
そして点検作業中、床下で骨のようなものを発見しました。
状態や大きさから見て、おそらく小動物のものであることは間違いありません。
ただ、それが本当にワンちゃんのものかどうかは、この時点では断定できませんでした。
直接伝えるのではなく、慎重に確認をとる
ご高齢の方に、はっきりとした確証のないまま伝えるのは適切ではないと判断し、
ご家族に確認を取らせていただくことにしました。
ご子息様は遠方にお住まいでしたが、点検報告書と一緒に写真をメールでお送りし、
お電話で状況をご説明させていただきました。
「父が昔話していた犬のことかもしれませんね」と、少し驚かれた様子でしたが、
写真を確認されたうえで、「消毒はお願いできますか」とのお返事をいただきました。
床下に残された“痕跡”と向き合う
住まいの床下には、長年の暮らしの痕跡が残されていることがあります。
湿気、カビ、シロアリのリスクだけでなく、今回のように動物の痕跡が残っている場合もあります。
特に、動物の遺体がある可能性がある場合、時間が経過していても衛生面のリスクが残ります。
そのため今回は、適切な方法で床下全体の消毒処理を実施させていただきました。
点検は“記録”と“心配り”の両方が大切
私たちが行う点検は、ただ結果を数値で記録するだけの作業ではありません。
ご家族の気持ちや、住まいに残された「記憶」にも寄り添いながら進めていくことが求められます。
今回は、はっきりと「犬の遺骨です」と断定はできませんでした。
だからこそ、判断はご家族に委ねる形をとり、写真付きの報告書とともに、丁寧にご説明しました。
まとめ
見えない場所にこそ、長年の生活の痕跡やリスクが隠れていることがあります。
床下点検は、家を守るためだけでなく、大切な“家族の記憶”と向き合う機会になることもあります。
「気になることがある」「ずっと点検していない」──
そんな時は、お気軽にご相談ください。私たちが住まいの安心をお手伝いします。