
スレート瓦の コケ は、ただの見た目の問題じゃない!
住宅検査で屋根の確認をしていると、
スレート瓦にうっすら緑の コケ が付着している家にしばしば出会います。
一見「見た目だけの問題でしょ?」と思われがちですが、実はこのコケ、
屋根材の劣化を進行させる“静かなサイン”でもあるんです。
■ コケの原因は「水分と日当たり」
スレート瓦は表面に防水塗装がされていますが、年数が経つと徐々に塗膜が劣化していきます。
その状態で北側や日陰部分など、乾きにくい箇所に湿気がたまると、 コケ や藻が発生しやすくなります。
コケがついている=「塗膜が弱っているサイン」と捉えることもできます。
■ 放置するとどうなる?
- 水分を含みやすくなり、屋根材自体の吸水・凍害につながる
- 雨水が溜まりやすくなり、下地材の腐朽リスクが高まる
- コケが根を張ることで、塗膜の劣化がさらに進行
- 最終的に、屋根材のひび割れや欠けにつながることも
見た目だけでは済まされない、屋根の寿命に関わる問題になることもあるんです。
■ 検査時にどう見るか?
住宅検査では、目視・写真・ドローンなどで屋根の状態を確認しますが、
スレート瓦に コケ がある場合、下記のポイントを重点的にチェックします:
- コケ の範囲(局所か、全面か)
- 屋根材の浮き・ヒビ割れ
- 棟板金や水切りの劣化状況
- 防水塗装の状態(ツヤ・色ムラ)
屋根の見た目だけでなく、劣化の“兆候”として評価する視点が重要です。
■ 対処法とアドバイス
軽度の場合は 高圧洗浄 + 再塗装 で対応可能。
ただし、劣化が進んでいる場合や、既に割れ・反りが見られる場合は、屋根材の張り替え(カバー工法等)を検討する必要もあります。
屋根は「普段見えないからこそ、劣化に気づきにくい」場所。
だからこそ、定期的な検査・診断が非常に重要です。
■ まとめ:小さな コケ 、大きな劣化のはじまり

屋根の コケ は、「今すぐ雨漏り!」というような緊急性はないかもしれません。
でも、それを放置すると5年後・10年後に大きな修繕費として跳ね返ってきます。
「ちょっと気になるな」と思ったら、まずは状態を正確に把握するところから始めましょう。
私たちの住宅検査では、こうした劣化の兆候も見逃さずチェックしています。