「久しぶりに 窓を開けよう としたら、まったく動かない」
「重くて開けるのに力がいる」
このような症状が出た場合、ちょっとしたゴミ詰まりやサビが原因のこともありますが、実は建物そのものの“ ゆがみ ”が原因になっていることも少なくありません。
今回は、窓の不具合をきっかけに、建物全体のリスクを見つける方法としての ホームインスペクションの重要性について詳しく解説します。
■ 窓が開かない !よくある原因一覧
▶ ゴミや砂ほこりの詰まり
窓のレールやサッシ部分にゴミがたまり、滑りが悪くなっているケースです。特に長期間開閉していない窓では、ホコリや虫の死骸が固まって動作不良の原因になることがあります。
▶ サビの発生
雨や結露の影響で金属部がサビていると、滑車(戸車)やロック部分の動きが悪くなり、開閉が困難になります。特に海が近いエリアでは塩害による腐食も要注意です。
▶ ゴムパッキンの劣化
ゴム素材は紫外線や熱によって劣化し、粘着質になって窓に張り付き、開かなくなることがあります。夏場に強く日が当たる南側の窓などに多く見られます。
▶ 窓の部品や金具の破損
クレセント錠(ロック)や戸車が破損していると、開閉時に引っかかりが出たり、動かなくなることがあります。見た目では分かりにくいため、分解点検が必要です。
■ 建物のゆがみ ・傾きが原因のケース
もし、複数の窓で同じような不具合が起きていたり、建具(ドアや引き戸)も重い、閉まらないといった現象が起きているなら、家全体がゆがんでいる可能性があります。
▼ なぜ 建物がゆがむ のか?
地盤沈下・不同沈下
土地の一部が沈んで建物に傾きが生じるケース。造成地や埋立地では特に注意が必要です。
基礎の劣化やひび割れ
基礎に クラック(ひび)があると、建物を支える力が不均等になり、構造にゆがみが出てきます。
▶過去の関連記事・・・クラック補修工事/エポキシ樹脂を用いたひび割れ修繕
構造材の劣化
土台・柱・梁などの構造材がシロアリや腐朽で劣化していると、家がねじれたり沈み込んだりします。
▼ こんな症状が出ていたら注意
- 床が傾いている感覚がある
- ドアが勝手に開閉する
- 外壁やサッシ周辺に斜めのひび割れがある
- 家具が自然に移動する
- ガラス窓に変なテンションがかかって割れやすくなる
このような場合、早めの対応が必要です。放置していると、耐震性能の低下や資産価値の減少にもつながります。
■ 窓のトラブルは「 ホームインスペクション 」で全体チェック!
建物の傾きや劣化を早期に発見するためには、プロによるホームインスペクション(住宅診断)を受けるのが最も確実です。
▶ ホームインスペクション とは?
住宅全体の劣化状況や構造的な不具合を、専門の診断士が中立的な立場でチェックする建物調査です。中古住宅購入時やリフォーム前後に行われることが多いですが、近年では「定期点検」や「健康診断」として活用する方も増えています。
▶ 主な点検内容
- 床の傾き・壁の傾斜・窓やドアの動作確認
- 外壁や基礎のひび割れチェック
- 屋根・天井裏の雨漏り・腐朽確認
- 床下の湿気、シロアリ、構造材の状況確認
第三者目線で冷静に判断してくれるので、「工事が必要なのか、様子見で良いのか」も明確になります。
▶過去の関連記事・・・今注目されている【ホームインスペクション】とは?
■ まとめ|窓の開閉不良から家の異常を早期発見
「窓が開かない」
たったそれだけのことでも、実は建物全体の異常を知らせるサインになっている可能性があります。
まずは掃除や部品の点検をして、それでも解消しない場合は、家そのものに原因があるかもしれません。
- ✅ 建物がゆがんでいる?
- ✅ 地盤に不安はないか?
- ✅ このまま住み続けて大丈夫?
そんな不安を感じたら、ぜひホームインスペクションをご検討ください。
私たち専門家が、建物の「見えない不安」に寄り添います。