地震や台風、大雨など、日本では年々「自然災害」のリスクが高まっています。
こうした災害時、住まいの弱点が被害の大小を大きく左右することをご存じでしょうか?
この記事では、中古住宅の購入前や住み続ける住宅に対して行う「検査(住宅診断)」が、災害リスクの軽減につながる理由を、実務の視点から解説します。
■ なぜ住宅検査が災害対策になるのか?
災害対策というと「防災グッズ」や「保険」が思い浮かびますが、建物自体の状態を知っておくことも立派な災害対策です。
- 地震の揺れに耐えられるか
- 雨漏りや床下の水害リスクはないか
- 外壁・屋根の破損リスクが潜んでいないか
こうした点は、ホームインスペクション(建物状況調査)や耐震診断などのプロの検査で明らかになります。
■ 災害別に見る「チェックすべき住宅のポイント」
◎ 地震に備えるには耐震診断が有効
- 1981年以前の旧耐震基準の家は特に要注意
- 筋交いや金物の設置状況、基礎のひび割れ確認
- 必要に応じて「耐震補強」や「補助金申請」も可能
◎ 水害・湿害は床下の劣化を進める
- 床下が常に湿っている家は、シロアリや腐朽リスクも高い
- 排水経路の不備や勾配不良も原因に
- 定期的な床下点検や、防湿・換気対策が重要
◎ 台風・強風への備えは外装のチェックから
- 屋根材や軒天、外壁に浮きやひび割れがないか
- 古いサッシやバルコニーの固定金物もチェックポイント
- 飛来物対策で窓の強化や雨戸設置も推奨されるケースあり
■ 中古住宅購入前には「検査+災害リスク評価」がおすすめ
気に入った物件でも、地盤の弱さや経年劣化の蓄積で、実は災害に弱いケースもあります。
- 立地(浸水・土砂災害警戒区域か)
- 建物の構造と状態(築年数や施工精度)
- メンテナンス履歴の有無
購入前の「住宅検査」に加え、災害リスクマップとの照合も大切です。
■ 専門業者による検査なら安心材料に
当社では、災害リスクに配慮したホームインスペクション、耐震診断、床下点検などを実施しています。
目視だけでなく床下に潜って確認するサービスも行っており、
- 雨漏りや湿気
- 構造部の劣化
- 白蟻被害
など、リスクの早期発見と対策が可能です。
■ 広島で注意すべき災害リスクとは?
広島県では、特に以下のような災害に注意が必要です。
◎ 土砂災害の多さは全国でも上位
広島県は急傾斜地が多く、過去にも大規模な土砂災害が発生しています(例:平成26年広島土砂災害)。
・宅地が「土砂災害警戒区域」に指定されていることも多く、地盤や裏山の状況確認が重要です。
・擁壁の劣化や排水ルートの詰まりなど、小さな不具合が大きな被害につながることも。
◎ 集中豪雨による浸水や床下被害
近年の線状降水帯による集中豪雨で、内水氾濫や排水不良による床下の浸水被害が増えています。
- 排水枡や側溝の清掃不足
- 建物周辺の勾配不良
- 古い住宅の防湿・防水処理の劣化
こうした問題は床下点検で発見・改善可能です。
◎ 断層・活断層の影響も意識を
広島は比較的地震の少ない地域とされていますが、芸予地震(2001年)では震度6弱を観測し、多くの建物に影響が出ました。
・旧耐震基準の建物(昭和56年以前)は特に耐震診断をおすすめします。
■ 広島市・安佐南区・呉市エリア別の災害傾向と検査のポイント
◎ 広島市全域
広島市は、盆地地形で河川が多く、豪雨による内水氾濫や土砂災害のリスクが複合的に存在しています。
特に昭和・平成期の宅地開発で造成された地域は、擁壁や排水計画に注意が必要です。
検査で見るべきポイント:
- 擁壁・斜面のクラックや排水機能の確認
- 床下の湿気・浸水履歴の有無(地盤調査・周辺勾配含む)
- 過去の被害履歴(市のハザードマップ確認も)
◎ 安佐南区
2014年に甚大な土砂災害を経験した地域。現在も土砂災害警戒区域・特別警戒区域に指定されている場所が多く、建築基準法の制限も厳しい地域です。
検査で見るべきポイント:
- 宅地裏の法面や擁壁の安定性(ひび割れ・排水路の詰まり)
- 家屋の傾きや基礎のクラック(地盤緩みの兆候)
- 豪雨時の雨水処理状況(屋根・敷地排水の設計と実態)
◎ 呉市
沿岸部に面した呉市は、高潮・津波・土砂災害の複合リスクが存在します。
山間地と海が近接しているため、斜面崩落と道路寸断による孤立も想定される地域です。
検査で見るべきポイント:
- 山側からの雨水の流れ込みや土砂流入への備え(外構含む)
- 排水経路・側溝の状態と家屋への影響範囲
- 基礎周りの通気性・湿気こもり(沿岸部特有の湿害も考慮)
■ 地域の災害特性を理解した検査が、命と資産を守る
一口に「検査」といっても、広島県内では地域によって見るべきリスクが異なります。
だからこそ、地域性を踏まえた診断ができる専門業者の検査が重要です。
当社では、
- 必要に応じた耐震診断・床下点検・シロアリ調査
- 改修・補強が必要な箇所へのアドバイス
を行い、安心できる暮らしの実現をサポートしています。
■ 広島エリアでの住宅検査なら、地域性に詳しい業者が安心
当社では、広島県内での住宅検査・耐震診断・床下点検に多数の実績があります。
地域特有のリスク(土砂災害、排水不良、湿害など)を踏まえた診断を行っていますので、
- 住宅の弱点を災害前に把握したい
- 購入予定の物件に不安がある
という方も、安心してご相談いただけます。
■ 見えないリスクに備える「検査」という選択
災害はいつ起きるか分かりません。
だからこそ、「今の家が災害にどれだけ耐えられるのか」を知ることが、
家族の安全と資産を守る第一歩です。
不安を減らすためにも、一度専門家の住宅検査を検討してみませんか?