
住宅の安全性を保つうえで、擁壁の状態チェックはとても重要です。
特に、コンクリートの剥落が見られる場合、目に見えない部分で劣化や構造的な問題が進行している可能性があります。
実際に、実施した住宅検査においても、擁壁のコンクリート剥落を発見しました。
今回はその事例を通じて、見過ごされがちな擁壁の検査や調査の必要性についてお話します。
剥落の発見から見えた問題点
広島市内の該当の住宅は敷地が道路より高くなっており、それを支える擁壁はコンクリート製でした。
検査中、擁壁の一部に明らかな剥落が見つかり、写真で確認できるほどでした。
剥落の原因として想定されたのは、内部の鉄筋が錆びて膨張し、それによりコンクリート表面を押し出した現象です。
このような鉄筋の腐食による剥落は、放置するとさらなる劣化を招き、場合によっては構造の安全性に影響を与えることもあります。
剥落は「住まいの外」で起きているからこそ危険
多くの方が気づいていないのが、擁壁の剥落や劣化が居住空間の外で起きるため、日常生活では気づきにくいという点です。
床下のシロアリ被害や土台の腐食と同様、気づかずに放置されやすい場所でもあります。
しかし、擁壁は敷地全体の安全性に関わる重要な構造物。
剥落を放置すれば、それがきっかけで倒壊リスクが高まる可能性もゼロではありません。
剥落を見逃さないためにできること
弊社では、住宅全体を対象とした建物状況調査(インスペクション)に加え、擁壁や外構の状態までしっかり確認する対応が可能です。
特に「古い擁壁がある」「鉄筋コンクリート製で見た目に不安がある」といった場合は、一度調査をご検討ください。
今回の事例紹介記事はこちらからご覧いただけます
剥落は劣化のサイン、早期発見がカギ
コンクリートの剥落は、単なる見た目の問題ではなく、内部構造の異常を知らせる重要なサインです。
特に擁壁のように日常で意識しにくい部分ほど、専門的な目での定期チェックが求められます。
「最近、擁壁の表面に変化したと感じる」「以前よりひびが目立ってきた」
など、少しでも不安に感じることがあれば、お気軽にご相談ください。
早めの対応が、住まいの安全を守る第一歩です。