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中古住宅の見分け方|購入前に確認したいチェックポイント


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1、外観のチェックポイント

2,室内のチェックポイント

3,設備・インフラのチェックポイント

4,書類・法的なチェックポイント

補足アドバイス:失敗しないためのポイント


中古住宅を購入する際には、見た目だけでは判断できない重要なチェックポイントが数多くあります。

本記事では「外観」「室内」「設備」「法的書類」などのカテゴリに分けて、確認すべきポイントをわかりやすくご紹介します。

また、専門業者によるインスペクション(建物状況調査)や、購入後に必要となるリフォーム・保険・耐震基準についても補足していますので、ぜひ最後までご覧ください。


1、外観のチェックポイント

● 外壁塗装の劣化

・ひび割れ、塗装の剥がれ、コーキングの劣化

・手で触ると白い粉(チョーキング)が付着する場合は塗膜が劣化しています

※外壁塗装の耐用年数は一般的に約15年が目安です。
特に窓まわりのコーキングに切れや浮きがないか確認しましょう。

● 屋根の状態

・ズレ、割れ、色あせ

・特に「化粧スレート屋根(カラーベストなど)」は劣化が進んでいる可能性があります

● 基礎のひび割れ(クラック)

・細かいヘアクラックは問題ありませんが、横方向のひび割れや幅が広いものは要注意です。

● 排水・雨樋

・雨樋の詰まり、傾き、割れ、外れがないか

・劣化すると屋根や外壁にも悪影響が出る可能性があります

→過去の関連記事
【雨樋の点検と水漏れメンテナンスについて】

● 敷地・地盤

・建物の傾きや沈下の有無

・周囲にひび割れや水たまり跡がある場合は、地盤沈下の可能性も

● シロアリ被害の兆候

・基礎周辺や床下の木部に「蟻道(ぎどう)」や腐朽の跡がないか確認

・可能であれば、専門業者による床下点検をおすすめします

      ↓基礎周辺の蟻道


2,室内のチェックポイント

中古住宅では、室内の状態からも劣化や不具合のサインを見つけることができます。

● 床の状態

・歩くと沈む、傾いている(ビー玉を転がして傾きを確認)

・特に水回り(洗面所・トイレ)は床が弱くなっていることがあります

● 壁・天井のシミやカビ

・雨漏り跡がないかを確認(窓上や天井の角に要注意)

・カビや湿気が原因の場合、断熱や換気の問題も考えられます

→過去の関連記事
【天井に“怪しいシミ”?雨漏れ発見の瞬間とインスペクションの重要性見逃していたらどうなっていたか?】

● ドア・窓の開閉チェック

・スムーズに開閉できるか、引っかかりやゆがみがないか

・建物の歪みが開口部に現れることがあります

● 畳・フローリングの劣化

・傷み、沈み、浮き、日焼け、隙間など

・フローリングの隙間や浮きは、下地の劣化や湿気が原因の場合もあります

● 室内のニオイ

・カビ臭、ペット臭、異臭など

・臭いの発生源(排水溝、クロス、床下など)を確認することで、隠れた劣化要因が見つかることもあります


3,設備・インフラのチェックポイント

住宅の内部設備は、交換や修繕に大きなコストがかかる部分です。年式や使用状況を事前に確認しましょう。

● 給排水設備

・配管からの水漏れやサビの有無

・特に鉄管が使用されている場合は、老朽化している可能性が高く注意が必要です

● 電気系統

・コンセントの数や配置、分電盤の容量に余裕があるか

・電気容量が少ないと、エアコン・IHなどの機器が使用できないケースもあります

● ガス・給湯器の状態

・給湯器の年式と動作確認(15年以上経過していれば取替え検討)

・異音や異臭がある場合は劣化のサイン

・古い給湯器は光熱費が高くなる傾向があるため、国の補助金制度を活用して交換するのもおすすめです

● 換気設備

・換気扇の動作確認、風量、ダクトの汚れ

・新築時から交換されていない場合は、
リフォーム前提での確認が必要です


4,書類・法的なチェックポイント

建物の法的状態や権利関係についても確認しておくことが重要です。

● 登記簿の確認

・所有者の名義、抵当権の有無、他人の権利が残っていないか

● 建築確認済証・検査済証の有無

・適法に建築された物件かを判断する重要な書類

・特に昭和期(昭和56年以前)に建築された建物は、現行の耐震基準を満たしていない可能性があります

● 境界確認

・隣地との境界が明確かどうか(トラブル防止のためにも重要)

● 増改築の履歴

・無許可の増築や未登記部分がないか

・ローンや保険に影響を及ぼすことがあるため、事前に確認を

原則10㎡以上の増築は建築確認申請が必要です。

平面図と実際の間取りが一致しているか確認してください。

※安全性の問題や住宅ローン等が受けられない場合があります。


補足アドバイス:
失敗しないためのポイント

◆ インスペクション(建物状況調査)の活用

中古住宅の購入時は、第三者によるインスペクションを依頼するのがおすすめです。

見えない部分の劣化状況や不具合が明確になり、「購入判断の基準」や「リフォーム計画」の材料になります。

→過去の関連記事
【ちょっと待って!後悔しないための「建物状況調査(インスペクション)」とは?】

◆ リフォーム前提なら予算把握が重要

劣化箇所を事前に把握しておくことで、リフォームの予算感や優先順位をつかむことができます。

◆ 住宅ローン減税・瑕疵保険の適用条件

ローン減税や「既存住宅売買瑕疵保険」の加入には以下の条件が必要です。

・昭和57年1月1日以降に建築された住宅 もしくは

・耐震基準適合証明書の取得

・瑕疵保険(インスペクションとセット)に加入すること

これらの条件を満たすことで、購入後の補助制度を活用しやすくなります。


最後に

中古住宅の購入は、新築とは異なり「状態の見極め」が非常に重要です。

外観・室内・設備・書類など、あらゆる視点からチェックし、必要に応じて専門業者のアドバイスや点検を活用することで、失敗のない物件選びが可能になります。

「見た目はキレイ」でも「内部は劣化していた」というケースは少なくありません。

大切なマイホーム購入を成功させるために、ぜひ本記事のチェックポイントを参考にしてみてください。