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【トイレのカビと水たまり】換気扇が止まっていた⁉

「トイレの壁紙に黒カビが出てきた」

「床がなんだか濡れている」

そんなご相談を受けて現地を確認したところ――

なんと、換気扇が故障して動いていない状態でした。

湿気がトイレ内にこもり、壁紙には黒カビが。

さらに、便器表面にはびっしりと結露が発生。

その水滴がポタポタと床に垂れ、水たまりをつくっていたのです。


今回は、まず換気扇を新しいものに交換。

空気の流れがしっかり確保されるように改善しました。

あわせて、壁と床をしっかり乾燥・清掃。

カビや水たまりもすっかり解消しました。

目に見えない「湿気トラブル」は、放っておくと悪化することもあります。

とくに換気設備の不具合は気づきにくいため、定期的なチェックがおすすめです。


今回のように「室内の空気が湿っていて」「トイレのように冷えやすい空間」では、露点温度が大きく関係してきます。

露点温度とは、空気中の水分が結露し始める温度のこと。

つまり、室温や便器の表面温度がこの露点より低くなると、水蒸気が水滴に変わって結露します。

便器表面の温度が低くなり、さらに換気がされず湿度が上がると、簡単に露点を下回り、結露が発生しやすくなります。

こうしたメカニズムを知っておくと、カビや水たまりの予防にも役立ちますよ。


■ 露点温度を下げる方法(=湿度を下げる方法)

1. 換気をしっかり行う(最も重要)

室内の湿気を外に逃がすことで、空気中の水蒸気量が減り、露点温度も下がります。

→ 今回のように「換気扇が故障」していると湿気がこもり、露点温度が上がってしまいます。

2. 除湿機やエアコンの除湿モードを使う

空気中の水分を強制的に除去できます。

特に梅雨時や冬場は機械による除湿が有効です。

3. 加湿しすぎない

冬場に加湿器を使いすぎると、室内の相対湿度が上がりすぎて露点温度も上昇。

→ 少しの冷えで結露が起きやすくなります。

4. 室内に洗濯物を干さない

部屋干しは一気に湿度を上げてしまい、露点温度も上がります。

換気が十分でないと、すぐに結露の原因になります。

5. 水まわりの使用後は換気&乾燥

お風呂・トイレ・洗面所など、使用後は必ず換気を。

可能なら扇風機や送風機で強制乾燥させるとより効果的です。


■ 補足:結露を防ぐには

露点温度を下げることに加えて、室内の表面温度を上げる(冷たくしない)ことも大切です。

  • 壁や床に断熱材を入れる
  • 窓に二重サッシ・断熱フィルムを貼る
  • 床下や便器周辺の冷気対策を行う

こうした対策を組み合わせることで、「湿度を下げる」+「冷えすぎない」=結露を防ぐことが可能になります。

家の中で一番危険な場所は「 浴室 」だった!?〜 ヒートショック と 断熱リフォーム の重要性〜

■ 「家の中で一番事故が多い場所」はどこ?

「転倒が多い階段?」「火の元のキッチン?」と答える方が多いかもしれません。

しかし実は――

家庭内の死亡事故の4割以上が「 浴室 」で起きているという報告があります。

原因として多いのが「 ヒートショック 」。

■ ヒートショック とは?

ヒートショック とは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、失神や心筋梗塞・脳卒中を引き起こす現象です。

たとえば…

  • 冬場、暖かいリビングから寒い脱衣所へ移動
  • 服を脱いで体が冷えたまま、冷えた浴室へ
  • そこから熱いお湯に急に入る

この一連の流れで、血圧が大きく上下してしまい、体に大きな負担がかかります。

■ 夏でもヒートショック は起こる

ヒートショック =冬のリスク、と思われがちですが、実は夏場も注意が必要です。

冷房が効いた室内から、蒸し暑い脱衣所・浴室に移動すると、逆方向の急激な温度変化が発生。

特に高齢の方や持病をお持ちの方は、わずかな温度差でも影響を受けやすくなります。

■ 断熱リフォーム で防げる家庭内事故

ヒートショック対策 の基本は、室内の温度差を小さくすることです。

以下のような対策が有効です:

  • 浴室・脱衣所に暖房設備を設置する
  • 脱衣所や浴室に断熱材を入れて外気温の影響を減らす
  • 窓や扉を断熱仕様に交換する

近年では、ヒートショック対策 の 断熱リフォーム を希望されるご家庭が増加しています。

浴室のリフォームだけでなく、脱衣所や廊下との断熱バランスも大切です。

■ 点検・見積無料。
お気軽にご相談ください

「家族が高齢なので心配」

「寒い浴室がつらい」

「夏も冬も温度差がきつい」

そんな方は、まずは今のお住まいの断熱状態を確認してみるのがおすすめです。

現地の状況を拝見し、ご家族構成やご予算に合わせたご提案をさせていただきます。

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